遍照寺 ホーム副住職「オトとイロドリとユルり」サピエンス全史をまとめて見た②

サピエンス全史をまとめて見た②

副住職「オトとイロドリとユルり」 2019年11月30日に公開 | 1週間前の投稿

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前回の続きになります 🙂

 

見てない方はこちらを先にお読みください。

サピエンス全史をまとめてみた①

 

3つの革命

「認知革命」「農業革命」「科学革命」

のうち、今回は1万2千年前に起きた「農業革命」です(^ ^)

 

「農業革命」は字の通り、狩猟をして暮らしていた人類が農耕を覚えたということですね。

そして、このセクションではこの農業革命が

 

「人類史上最大の詐欺」

 

だったということを、語っています。

(僕は農業革命と聞くと人間が農耕を覚えて、豊らかな暮らしをスタートさせるきっかけだったのでは?と思っていました。)

この意味はどういうことでしょうか?

 

「狩猟や採取をして自由に移動していた時代から、植物の種を植え田畑を育て定住にするようになった」

このことが本当に幸福なことだったのか?

ということです。

 

そもそも狩猟採取をしていた時代は、色々な動物や、無数の種類の木ノ実や果物を食べていました。

食料があまり見つからなくなると、移動して食料を探しにいくような生活スタイルだったはずです。

 

ある時誰かが野生の小麦が落ち、そこから芽が出てそれが成長してまた小麦が育つことに気づきました。

それで「これたくさん育てたらめっちゃいいやん?」と言う具合で、段々と小麦を栽培するようになりました。

それが広がった結果どう生活が変わったか?

まず朝から晩まで穀物を育てる生活に変わりました。

そして自分たちの田畑の世話をするために、定住するようになりました。

これは、最初安全で快適な暮らしを得れるとサピエンスは思いました。

 

しかし結果はあまりいい方向に向きませんでした。

狩猟採取のころのバラエティ豊かな食事から小麦、ジャガイモ、米などの限られた穀物に頼るようになり、深刻な栄養不足になりました。

しかも、不作になると飢餓でたくさんの人が死にます。

だから朝から晩まで、来る日も来る日も虫をとったり、草取りをして世話をしたはずです。

(この時から労働という概念が生まれたのかもしれません)

サピエンスの体はそもそも農耕をするための体ではなかったので、骨格に大きな負担がかかるようになりたくさん疾患が出てきたのもこの頃らしいです。

 

よく育ってる田畑を求めて土地の奪い合いが頻繁に起こってしまいます。

飢餓になると、蓄えてる穀物を奪うこともあったはずです。

家を持つようになると、隣人という形でサピエンスはどんどん分断されていきました。

田畑や家をグリッドに区切り、自分の土地として人工的に自分の「島」を作りました。

(この時から所有という概念が生まれたのかもしれません)

そして奪い合いが起こると、格差というものが生まれてきます。

 

また栽培と定住のおかげで、人口が急激に増えました。

狩猟採取の時代が100人程度の集団で行動するのがせいぜいだった時から、農業革命後1000人規模の村がやっていけたそうです。

ただ、それは疫病や栄養不足に苦しむということでもあったようです。

 

安全安心で楽な生活が手に入ると思って農耕ですが、数種類の穀物に依存し大変な労働を背負うことになりました。

(僕たちが少しでも楽な生活を求めるのは、この頃から続いているんですね。。。)

もちろん、農耕が定着する頃には狩猟採取の生活に戻れるわけもなく、このスタイルでサピエンスは進んでいきます。

 

 

その日暮らしな狩猟採取の生活と違って、農耕の生活は絶えず未来への不安が付き物でした。

「来年の作物は大丈夫だろうか?」「これだけの収穫で娘をちゃんと大きくできるだろうか?」という感じでしょう。

(この未来を気にするようになった時から、時間という概念が生まれたのかもしれません)

そうすると、集団同士で協力せざるを得ません。

その数はどんどんと膨れ上がります。

集団から村へ。村から町へ。町から小国へ。

小国規模になると、秩序が必要となります。

サピエンスが作る秩序というのは、自然界にあるような秩序ではなく神話等を使った想像上の秩序。

つまり「虚構(フィクション)」です。

 

集団が大きくなるにつれてできた格差はどんどん広がり、小国ができる頃には階層階級や身分制度(ヒエラルキー)ができてしまいました。

そのヒエラルキーも想像上のフィクションです。

本当は存在しません。

 

格差から生まれた統治する人間は法というフィクションも生み出します。

この本では例として「目には目を、歯には歯を」で有名なハンムラビ法典が出てきます。

ハンムラビ法典は紀元前2000年近く前に、バビロニア帝国という国のハンムラビ王が出した法律の基礎のようなものです。

ハンムラビ王は、自分が神によって選ばれてみんなを正しい道に進ませるためにこの法律を作ったと言いました。

その内容は、「もしエリート層の所有する奴隷の骨を折ったら、奴隷の価値の半分の銀を払いなさい」

といったようなものでした。

これは想像上の秩序です。

ハンムラビ法典に限らず、リンカーンの奴隷解放宣言や、日本で言えば憲法も想像上の秩序、つまりフィクションです。

(それが良い悪いということではありません。サピエンスはフィクションを使って秩序を作り出したという仕組みの話です)

 

もう一つ現代に続くまで重要なフィクションがあります。

それが「書記体系」です。

もともとサピエンスの脳だけに保存されていた情報や記憶が、記号を使って書き記されるようになりました。

最初は、「麦 35 人物名」ぐらいのメモ書きのようなものだったそうです。

それもわかる人にだけ分かるレベルのもの。

それが象形文字が生まれたりして、だんだんと物語も書き記せるようになりました。

つまり、法律や神話も文字で残せるようになりました。

これは国の秩序を保つ上で大きな役割を果たしたそうです。

その後、数字や数式が発明されると書記体系は更に飛躍します。

 

そして現在僕たちの書記体系は、数字の「0」と「1」だけ使って表記される2進法を使った書記体系です。

パソコンやスマホが当たり前のデジタル社会というのは、この2進法から生まれたものです。

今この瞬間も「0」と「1」は高度なテクノロジーを生み続けています。

この流れは、とても重要なことだと思います。

 

 

 

かなり省いたところもありますが、農業革命以降の生活や集団の形が大きく変わったことが分かりました。

そして今も僕たちが当たり前に使っているものが、どんな形で生まれたのかが少し見えてきました。

想像上のフィクションの中で成り立っている世界に、僕たちは暮らしているかもしれないということですね。

 

 

次のブログでは、科学革命の前にサピエンスがどんな風に世界を作り上げていくのかを深掘りして書いていきます(^ ^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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