遍照寺 ホーム桔梗吟行のいざない平成26年度の入選作品

桔梗吟行のいざない

平成26年度の
入選作品

桔梗と矢田川流域・ジオパーク観光の雑詠

1994年に開催された「但馬・理想の都の祭典」から20年目となる2014年をきっかけに、地域の資源を見つめ直し、但馬全域で新しい地域づくりを目指す「夢但馬2014」のなかで、「桔梗吟行のいざない」として遍照寺の桔梗、矢田川流域、ジオパークの吟行を呼びかけ、俳句募集を行いました。

本堂外観

入選作品一覧

桔梗大賞

生も死も仏の慈悲や桔梗花 川戸 節子豊岡市
講評 澤井 洋子さん 人は、皆、生と死の狭間に生きております。いや、生かされていると言った方がよいでしょう。遍照寺の寺苑一面に咲く清らかな桔梗の花を見たとき、作者は仏陀の愛に大きくつつまれていると感じたのでしょう。来し方もこれから先も、思い悩むことが小さな事に思え、桔梗の花に出会ったこの一瞬の一期一会の時をしみじみと有難く思われた。眼前の写生を一歩出て、自己の内面へと進み、仏様への感謝の念が口をついて出たような一句です。

一席

山寺の一期一会の桔梗かな 小林 啓作豊岡市
講評 小杉 伸一路さん 遍照寺と詠まず山寺としたことにより、句が深まった。読者は、自分の記憶の中にある山寺の桔梗を連想するだろう。

二席

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御仏を囲みて桔梗咲きにけり 西村 静乃豊岡市
講評 小杉 伸一路さん 紫という高貴な色が御堂を囲んで咲く美しさ。清々しい光景が描けた。
まさをなる空から落ちて猿尾滝 江藤 隆郎神戸市
講評 岡部 榮一さん 日本の滝百選にも入っている猿尾滝。滝は夏の季語。水が真っ青な空の一点から落ちて来るという掴み方が俳句的です。写生の句。

三席

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魅せられし桔梗の花の聖地かな 林田 磯子香美町
講評 小杉 伸一路さん 「かな」という切字で、桔梗の聖地と言い切ったところが良かった。
境内に無垢の静けさ白桔梗 大治 鏡子出石町
講評 岡部 榮一さん 無垢と白桔梗はぴったり過ぎます。静けさをいれて和らぎました。
水音に育つ桔梗の清すがし 黒坂 扶美子豊岡市
講評 澤井 洋子さん 香美町は水の豊かな所である。冬は雪解け水が轟くように流れるが、夏ともなれば蛍や鮎を楽しむ事が出来る。桔梗寺にも山水が引かれ鯉が泳ぐ池がある。自然に恵まれた環境でBGMのような水音に育つ桔梗は見る者の心も癒してくれる。俳句は、目で見るものだけでなく、耳で聞こえる物も大事である。五感を働かせて詠まれた臨場感のある一句である。

選者特選

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岡部 榮一 選

冬の尚お堂の下の蟻地獄 佐藤 久子明石市
講評 岡部 榮一さん 蟻地獄はウスバカゲロウの幼虫。夏の季語です。成虫になるまで二~三年、砂の中で過ごすものもいる。乾いた砂を好みお堂の下などに巣を作る。冬は、活動しないがすり鉢状の巣が残っている。

澤井 洋子 選

紫に佇てば白恋う桔梗花 松下 恵美子豊岡市
講評 澤井 洋子さん 間近で見る桔梗の花の玲瓏とした美しさに心を奪われたのでしょう。紫の桔梗は、素晴らしい、然し白い桔梗も捨て難いと、まるで蝶々が花の間を飛び回るように作者の心は揺れ動いています。そういった作者自身の思いを「紫に佇てば白恋う」と具象化して表現しています。誰しもがやはり作者と同じように思って共感を覚えるのでしょう。

小杉 伸一路 選

声明に紫ほどく桔梗かな 高橋 久美枝朝来市
講評 小杉 伸一路さん 紫をほどく、という表現に作者の感性を感じる。声明、紫、桔梗という表現も響き合って美しい。

ジオパーク特別賞

船脚を奇岩にゆるめ夏惜しむ 宇利 和代西宮市
講評 岡部 榮一さん 晩夏の香住海岸のジオパークの遊覧船。俳句では八月七日頃が立秋です。一般的な感覚では夏惜しむは、八月の終わりに近い夏休みが終わる頃の季節です。少し海の風を涼しく感じながら夏を惜しむ心が良く出ています。

佳作

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蝉しぐれ堂を包みて静かなる 椋 則子竹野町
花のてら桔梗の声石の声 松島 恵美子豊岡市
庭中に満つる金剛石蕗の花 岸本 紀雄神戸市
練切も茶托も桔梗風涼し 藤田 壽穂奈良市
断崖の美しき節理や雲の峰 横田 恵生駒市
三代の女船長秋の航 片岡 徹也神戸市
七花寺の一寺に咲きし桔梗かな 黒田 謙二郎豊岡市
波しぶく但馬松島夏深し 小林 伊久子奈良県
俳縁を賜る一会花桔梗 小柴 智子神戸市
山寺や桔梗に渡る夕の風 角野 京子堺市
しっとりと慈雨の玉置く桔梗かな 渋谷 みや子豊岡市
一株の桔梗の宿す気品かな 藤澤 みか子神戸市
静けさをまるき蕾に桔梗花 増田 節子豊岡市
九天にあかりを灯す桔梗花 小西 幸子竹野町
余部の一番列車朝焼けす 江見巌相生市
桔梗の風はむらさき遍照寺 水間 千鶴子神戸市
群がりて地蔵を囲む桔梗かな 中島 保姫路市
一閃の冬日ジオパークの洞門 仲加 代子三田市
日の濃さに海エメラルド海月浮く 冨安 トシ子奈良市
猿尾滝見上げおのれは小さくなる 斉藤 浩美東海市
桔梗の日ごとに藍の深まりぬ 川口 眞生豊岡市
秋氣満つ水音高き法の庭 宮本 露子西宮市